38年ぶり阪神タイガース日本一
日本シリーズは最終戦の第7戦までもつれ込み、この試合は7対1で阪神が
危なげなく勝利し日本一を成し遂げた。
第一戦目では沢村賞3年連続受賞のパリーグの大エース山本由伸を滅多打ちに
した勝利で一気にシリーズをものにすると思ったが、第二戦で宮城に抑えられ
第三戦、第四戦は1点差の攻防で行って来い、第五戦では甲子園の地の利で
勝利し、王手がかかった第六戦には再び大エースが出てきて完璧に抑えられた。
パリーグ覇者オリックスは、エース山本、4番打者頓宮が投打の中心的な
働きをする一方、阪神はまさしく総力戦で勝利するような監督の采配や
打線の総合力、スタート、中継ぎ抑えと総合的な投手力で優勝に
こぎつけたようでした。
38年前の阪神日本一は、打線では1番バッターに真弓、2番に巧打者元ロッテの
弘田、3から5番に当時看板の重量打線 バース、掛布、岡田、6番に元大洋の
中心打者長崎が控えており、まさしく破壊力抜群の攻撃型チームでした。
相手の西武ライオンズは投手力自慢、工藤、松村兄弟、高橋直樹、東尾、
渡辺久典と役者がそろっていたが、重量打線を抑えきることができず、
当時常勝チームと謳われた西武も難なく弾き飛ばす派手なチームが阪神でした。
これを比較すると野球自体が変わったのだろう。今までは米大リーグなど
肩を並べて勝てる訳がないと誰もが思っていたが、今ではどうだろうか、
大谷みたいな別格がいるが今年のWBCではアメリカに堂々と勝利し
世界一にもなっている。
アメリカのメンバーもこれまでのB級選手ではなく大谷が言ったように
憧れの対象から勝利したという事実がそれである。
大エース山本由伸も大リーグポスティングを表明しているので、
来年は大リーグで活躍し、きっと憧れの存在になってくれるだろう。
今回の日本シリーズはセ・パ両リーグの覇者が戦ったこれこそ
真の王者は阪神タイガースなのです。
そしてこのシリーズで一番印象に残ったのは、第五戦の決勝点を奪われ呆然とし
涙する宇田川投手、あの満身の力で戦う勇士の敗北、あの悲壮感に満ちたシーンは
この日本一を争う戦いの象徴的なものでした。
宇田川投手と最後まで白熱した攻防を見せたオリックスにもエールを送りたい。
岡田 純