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五香のつぶやき

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礼節をわきまえない行為

女子柔道52キロ級の阿部詩選手が2回戦で敗れ、畳から降りた後
声を張り上げ号泣した件について国民から賛否の論評が飛び交った。

ボクの友人も『あれはひどい、礼節もわきまえず、次の対戦を遅らせているだけだ』
と怒っている。

しばらくの間それに対しネット上で良いの悪いのと賑わい、
柔道イコール武士道などと勝手に古来の精神論を持ち出す始末であった。

武道を修めている人が相手に対する礼節について苦言を申すなら聞き入れ
られるが、武道もたしなんだことが無い一般人が、その会場で一部始終
見ていもいないのに礼節がなっていない、武道家としての精神がなってないとか
・・まず自分のことを顧みてから言えと言ってやりたい。

友人は一時 空手の修練を受けたちょっとした武道家であるので、詩さんの
行為について苦言を与えられるが、ボクにも世界ランク1位の相手に対し
負けたことを恥じるような大げさな泣き方に違和感はあったのだが、
口にはせずにいた。

振り返ってみれば畳の上で泣きじゃくり進行を止めていたのならば良くないが
そうではなく会場の人たちからはブーイングがあった訳でもなく、
逆にウタ、ウタとウタコールが沸いていたのでそのシーンは観客には
受け止められていたと思えた

ここで感ずるのは、負けた時まで武士のふるまいをすることを一般人が
強要するのはおかしな話ということである

ただ上位の相手に負け、あれだけ大げさに泣きじゃくれば不快に思ってしまう
人もいるだろうが、東京五輪で兄弟共に金メダルを取り3年後のフランスに向け
目標を固め、努力した結果が2回戦で敗戦とは今までの苦労が一瞬で消えた
ことの絶望感が、あの大げさな振る舞いになってしまったと思えば仕方ないと
受け止めてあげるべきだ

また礼節を賞賛された男子81キロ級の村井三四郎選手が決勝で取った技ありの
2つ目が取ってもらえなかった事については、柔道を深く知らないボクでも
誤審であり欧州びいきな判定による敗戦と見て取った

でも三四郎はショックに打ちひしがれて涙でインタビューに応えていたが、
負けたことの悔しさだけを吐露し、恨み言はなく礼を尽くし会場から去る、
負けても勝負の余韻を残す王者の威厳のようなものが感じられました。

詩さんにおいてはここまで苦労してやってきた思いが4分間の戦いの中、
不意を突かれたほんの一瞬で消えて失った自分のふがいなさで
泣きじゃくる姿は言葉で表されていない苦労を感じるものであって
それに心を打たれるのが真の柔道を愛する者の見方であるとボクは感じるのです

 岡田 純