料理を引き立たせる空間
甲州への旅の帰路、昼食に立ち寄った料亭の心地よさは抜群だった。
緑豊かな山あいに小川が流れ 緑の木立に紅葉が交じり そしてその静寂な
空間は、おとぎの話の中にあるような山里の住まいを醸し出す。
これぞ日本の美と表現できる風景である。
そこには日本建築が佇み、それらを見事に演出する日本庭園、そして
合掌造りの家屋がよりこの空間を至高なものに仕上げている。
案内された部屋からは池が見え、その周辺は洗練された庭木に
赤く輝く紅葉、そして水車が静かに水音をたてながら回っている。
料理は会席料理に野菜と2種の鶏肉鉄板焼き、そして麦とろ飯等
鉄板焼きはコロナ渦でなければ鶏肉は串で出ていたらしいが、
そこがちょっと風情を壊したかな・・・だけど満足しました。
この料亭は東京都の奥座敷 高尾山の山あいにある『うかい鳥山』です。
『うかい』さんは懐石、鉄板焼き、ステーキ、豆腐などコンセプトを変え
数店舗でお料理を提供しています。
そういえば以前にボクは、東京タワーの麓にある『うかい亭豆腐』に
行ったことがありました。
港区芝という大都会のへその部分に日本庭園があるという異質な空間で、
その日は夜の席であったのでとってもきれいなタワーのイルミネーションに
日本庭園という場で夢心地な気分でおいしい豆腐を味わいました。
至高の料理とは良き空間があってこそ そしてお金を惜しまず と
いうことですね。
岡田 純