ひこうき雲
台風一過の9月26日早朝 外はようやく明るくなった頃に窓を開けると
上空には一直線のひこうき雲、そして外へ飛び出すと南の空から北の空へ
大きな半円を描いておりました。
ひこうき雲と言えばやはりユーミン いや八王子出身の荒井由実が作った曲
が浮かんでくる。
1973年発売のファーストアルバムの一曲でジブリ映画『風立ちぬ』の主題歌
に使われた曲でもあります。
映画『風立ちぬ』の内容は、パイロットに憧れた少年は自身の近眼であきらめ
飛行機設計士の道を目指す。
彼は東大で設計を学びドイツに渡るが、日本の技術力に悲観し、その後
各国の技術を学ぶことで日本で美しい戦闘機を作るという夢を追う。
そこで研究に行き詰った時に出会った少女と恋に落ちる。
その娘は結核に侵されていることを告げられ、できるだけ長く一緒にいたい
と思う気持ちとが交錯しながらも研究に打ち込んでいく。
娘は自分の姿見がきれいなうちに離れようと遠く高原の医療所へ行ってしまう。
研究が進み美しい戦闘機=ゼロ戦は完成し戦場で活躍するが、後々戦争は
窮地に陥り、特攻に使われだし機体は果ててしまう。
自分の夢であった憧れた美しさが戦争という残虐な殺戮に使われるという
世の流れに逆行してしまう現実に打ちのめされる。
そこで美しい少女との出会いを回想する。・・・ような映画だったような?
ボクもゼロ戦は美しくドイツのメッサーシュミット イギリスのスピットファイア
も美しいけど当時のどの国の戦闘機と比べても一番だと思ってます。
この映画に使われた荒井由実の『ひこうき雲』美しい旋律とは異を放つような
情感がうかがえる歌詞のようです。
荒井は小学校の時の同級生 大きな病を患っていた子が、高校1年生の時に
亡くなり葬儀に出向いた時、同窓会のような雰囲気の中で同級生だった遺影は
とても大人びていて驚いたことと近所で高校生男女の飛び降り心中があったことを
基に、心を痛めた若者の死をイメージに書いた詩のようです。
これが高校生の感性とは思えない昔から才を放つ特殊な少女だったようですね。
ボクが見たひこうき雲は雄大で爽やかな心安らぐ不思議な光景でした。
岡田 純